【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜


「……そういうことで。
お前ら、マジでウザイんだけど?」


前者が私に、後者が不良の方々に。

紡がれると同時に、絡んでいた視線も交わされて。

また歩き出そうとする琉聖君に、私は……今度は躊躇いなく自分の意思で、握ったままだったブレザーの裾を力を込めて握り締めていた。

……案の定、琉聖君は歩き出せるハズもなくて、むしろつんのめりかけていて。


「アンタ、マジで何?」


勢いよく振り返ったと思ったら、ギロッ…と睨み付けられた。

こ、怖い〜ッ!!

でも……


「名前、教えて?
私は、……有坂湖都」


知りたい、知りたい――…

その感情が、何を意味するのかわからないまま。

私は、琉聖君をただジッ…と見つめ続けていた。



< 11 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop