【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
暫しの沈黙(……と言っても、周りのギャラリーは未だ囃し立てているけれど)のあと。
根負けしたのは、……琉聖君だった。
「……椎葉琉聖(シイバリュウセイ)。
これで、満足?」
低くも高くもない、相変わらずの無機質感さえ漂わせる彼の声音に、
「お、牡牛座って、……本当?」
「はぁ…、そうだけど」
私は、諦めることなく更に問いかけていて。
真逆に……
琉聖君は、溜息を吐きながらも諦めたように淡々と答えてくれた。
でも、彼の態度より何よりも。
「運命の、……人?
本当に現れた、の?……」
さっきまで脳内を占領していた占いの結果が頭を過り、それが……
目の前の琉聖君と重なって見えた気がしたんだ――…