【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜


暫しの沈黙(……と言っても、周りのギャラリーは未だ囃し立てているけれど)のあと。

根負けしたのは、……琉聖君だった。


「……椎葉琉聖(シイバリュウセイ)。
これで、満足?」


低くも高くもない、相変わらずの無機質感さえ漂わせる彼の声音に、


「お、牡牛座って、……本当?」

「はぁ…、そうだけど」


私は、諦めることなく更に問いかけていて。

真逆に……

琉聖君は、溜息を吐きながらも諦めたように淡々と答えてくれた。

でも、彼の態度より何よりも。


「運命の、……人?
本当に現れた、の?……」

さっきまで脳内を占領していた占いの結果が頭を過り、それが……

目の前の琉聖君と重なって見えた気がしたんだ――…


< 12 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop