【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
厳しい物言いに、ビクッと肩が上がるのが、自分でもわかって。
琉聖君のブレザーの裾を握っていた手の力が、緩んでいた。
僅かに、握るというよりも触れているだけのようなその手を、琉聖君は勢いよく振り払って。
「占いも、程々にした方がいいんじゃない?」
冷たい視線と声だけを残して、一人スタスタと歩き出し。
その後ろ姿は、次第に小さくなっていった。
無言でそれを見つめていることしか出来なかった私は、何とも言えない虚無感さえ感じていて。
ただただ、もう琉聖君の姿の見えなくなったイルミネーションが煌めく通りを、ボンヤリと沈んだ気持ちで視界に入れたままだった。
「お前、……行けよ!?
もしかして、泣くんじゃね!?」
「いやいや、お前が行けばいいじゃん!?」