【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
そんなやり取りが、背後からコソコソと聞こえてきて。
振り向いたら、不良の方々の中から押し出されるようにして出てきた人と、向かい合う形になっていた。
……赤色の髪に、耳には数えきれないくらいのピアス。
一瞬で観察して、私は一歩また一歩と後ずさっていた。
琉聖君には感じなかった“怖さ”を、なぜだか感じて。
無性に逃げ出したくて、堪らなかったんだ……
「……そんなに、怖がんなよ!!」
「……ッ!!」
そんな私に容赦無く落とされた言葉は、粗暴で荒々しくて。
私は顔をひきつらせながら、やっぱり後ずさってしまう。
逃げよう……!!
そう考えて、肩に掛けていたバッグを胸に掻き抱くようにして抱き締めた時。
「お前のそれが、やり方が悪いんじゃん?」
赤髪の人の背中から、幾分かは優しそうな声音の金髪の人が、溜息を吐きながら姿を現した。