【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
「もう!!冬威は邪魔しないで!!」
仲良さげに恋人繋ぎされた手に、ついつい視線がいってしまう。
高校の同級生の二人は、付き合いも長くて。
恋愛経験の無い私としては、やっぱり……羨ましくてならないモノだったりする。
「湖都ちゃんは、……また占い?」
クスクスと笑って店内を見渡す陽菜さんに、自然と私は……
「あの……、陽菜さん!!
“運命の人”って信じますか!?」
「……運命の、人?」
捲し立ててズイッと近付いた私に、きょとん…とした表情の陽菜さん。
「そう、ね……?私はいると思う。赤い糸で繋がった誰かがいて、何が起こっても何度も出会ってしまったなら……きっとその人が、運命の人じゃないかな?」
一言一言考えながら、ゆったりとした話し口調に、私の顔にはパァーッと花が咲いたように笑みが広がっていく。
もう一度、名前しか知らない琉聖君に出会えたなら……
やっぱり彼が、“運命の人”なのかもしれない!!