【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
「二人、知り合いだったわけ?
せっかく、琉聖驚かせようと思ったのになー…」
残念そうにも思える言葉をこぼしつつ、でも冬威さんの声音はおもしろいものを見損なった、そう言いたげなモノで。
琉聖君の表情は、いつまでたっても険しいまま。
「……別に、関係ねーし!!」
そんな二人のやりとりを、私は耳で聞いて、目線は琉聖君からはずせないでいた。
細身のジーンズに、チェックのシャツ。
その上には、ダウンジャケット。
かなり、……カッコ可愛く仕上がった琉聖君に、見惚れている。
そう言い表すのが、一番私の行動を表しているかもしれない。
「……って!!
琉聖君!?血……!!!!!」
「あぁ……こんなの、大したことない」
私の視線は、シャツの裾から出ている手の拳に向かっていて。
その手には、小さい傷から大きな傷まで出来ていて、顔には傷ひとつないのが嘘みたいに血が滲んでいた。