【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
「……琉聖君、手見せて?」
ドアを閉めて、ゆっくりと琉聖君に近付いて。
フローリングの床にしゃがみ込んで、救急箱を開けて琉聖君の横顔を見上げた。
不良……なんて思えないくらい、容姿は普通の男子高生と変わりないのに。
見上げたその横顔は無表情そのものなのに、何かを抱え込んでいそうな切なさが窺えてしまう。
「何する気?」
あまりにもジッ…と見すぎていたからか、はぁ…と溜息を吐いた琉聖君が体ごとコチラを向いて、呆れた表情で私を見下ろしていた。。
「え、治療を……」
「大したことないっつったじゃん?」
「でも!!……放っとけない」
「……っんな簡単に、オレの中にズカズカ入ってくんなよ。オレ、不良だってわかってんの?」