【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
「それは……、占いはキッカケにすぎないじゃない。私は、今目の前にいる琉聖君をちゃんと見てるよ?」
俯いて隠していたのに、自分の気持ちを口にしたら、涙が溢れ落ちてしまっていた。
「……ッ!!
なんだよ、それ……」
苦しげな声で琉聖君が答えたきり、部屋の中には沈黙が訪れる。
いつの間にか外の雪は吹雪に転じていて、ガタガタと窓を揺らがせ、その音が異様に大きく響いていた。
「……ったく、」
暫くして、不意に舌打ち混じりに琉聖君が呟いたかと思ったら。
頭頂部を撫でられて、グシャグシャと髪を乱されていた。
「……琉聖、君?」
驚いて、でも泣いてしまったのを気付かれないように指先で頬を拭って、少しだけ顔を上げると、
「アンタといたら、調子狂うな……」
琉聖君はまた、窓の外の雪をジッ…と見つめていた。