【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜


「……手、離してくんない?
その人、俺の連れの……なんだよね?」


痛っ、と短い悲鳴にも似た声が上がって、不意に腕に自由が戻って。

私は閉じていた目を開くと同時に、よろけながらも二歩、三歩と後ずさった。


目の前では、さっきまで絡んでいた不良さんの腕が捻り上げられている構図。

私を危機から救ってくれたのは、

「り、琉聖君の……!?」

「こんにちわ、湖都さん」


その場に似合わない柔らかい笑みを浮かべている、琉聖君のお仲間の金髪の人だった。


「この人に、二度と関わんなよ?」


捻り上げていた手首を解くと同時に、鈍い音をたてて……金髪のその人は、早業の如く瞬時に蹴り飛ばしていた。



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