【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
ゼーゼーと苦しげな呼吸を繰り返して、ズルズルと座り込んでしまう。
教室の中は、ガラン…としていて、積み重ねた机が端に寄せてあって、かなり広く見える。
「あの、……助けてくれてありがとう!!えっと……、」
知らぬ間に、携帯を弄り始めていた金髪のその人にお礼を述べつつも、そういえば名前を知らなかったことを思い出して言葉に詰まってしまった。
まさか、金髪の人、なんて呼べるわけもないし。
「あー…、俺、櫂(カイ)って名前。一方的に呼んでばっかだったな?」
それに気付いてくれたのか、柔らかく微笑んで名乗ってくれて。
本当、全然、不良には見えないのになぁ……
不良も人それぞれ、ってことなんだと、改めて思い知らされた。
「……で?湖都さん、何しに来たの?うちの学校、危ないって有名なハズだけど。
……琉聖と何かあった?」
携帯を開けたり閉めたり、パチパチ…と開閉音を響かせながら、櫂君は私の隣に腰をおろした。