【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
「……ッ!?
どうして、そう思う…の……?」
「最近、琉聖ってば溜息吐いてばっかりだったから。
さては、湖都さん絡みか?ってとこ」
クスクスと笑って、茶目っ気たっぷりな受け答えをする櫂君に、私も気が抜けて笑みが溢れ落ちたのも束の間。
私の笑みは、曖昧なモノへと擦り変わってしまった
「琉聖君の溜息の原因は、きっと……私じゃないよ?
『無理』って言われたし……」
思い出したくないのに、あの日の琉聖君の表情や声がリアルに思い出されて、涙腺が緩みそうになる。
「琉聖の言葉の裏読んでみたら、って教えたのに。アイツは、かなりの意地っ張りだけど、言葉の裏さえ読めたら単純だよ。
湖都さんに特別、……アイツの秘密教えよーか?」
櫂君がスラスラと言い並べる言葉たちに、私はよくわからなくて、目を瞬かせることしか出来なかったけれど。
琉聖君の秘密、を耳にして……
胸がズキズキと痛んで、それと同時に、また琉聖君に会いたくて堪らない気持ちが増した。