【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
「琉聖、早かったな?アイツらは?」
「まぁ、いつも通りに。そこら辺にも、倒れてのびてるヤツらいるし」
頭の上から琉聖君の声が聞こえて、それに安堵する一方でトクン…と胸が高鳴ってしまう。
本当に本物の、琉聖君だ――…
「さっすが、湖都さんパワーだな?」
「そんなんじゃねーし!!
呼んだのはお前だろ!?」
「その割には、抱き着いてきた湖都さん引き剥がすこともしねーし、アイツら片付けんのも早かったじゃん。
ま、いつまでも意地張ってたら……」
「……うるさいって!!」
グイッと、琉聖君の腕に体を引き剥がされて、一瞬合った目もスグに逸らされた。
「ま、いーけど。琉聖、あとはよろしく。湖都さん、ちゃんと送ってけよ?狙われてんの、湖都さんなんだから」
そう言い残して、櫂君は私にふんわりと笑いかけて、空き教室から出ていってしまった。
残されたのは、未だ手を伸ばせば届く距離にいる、琉聖君と私、だけ。