【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
シン…と静まった中にあるのは、何とも言えない緊張感と重苦しさ。
放課後の校舎内は、さっきまで騒がしかったハズなのに、全く人気が無いのかと思うほど静かで。
私は、目の前にいる琉聖君をチラリ…と盗み見た。
真っ白なワイシャツ……だったハズの制服は、少しだけ茶色く汚れていて。
唇の端は切れて、血が滲んでいた。
「喧嘩、しないでって言ったのに……」
「アンタのせいだろ!?……っとに、なんでうちの学校にいんだよ、」
「だって、……会いたかったんだよ?」
怒ってる様子の琉聖君の唇の傷に、背伸びをして、手を伸ばし指先で触れると、ピクッと体を揺らして眉間にシワを寄せる琉聖君。
「……ごめんね?私のせいで、ケガさせちゃった……んだもんね」