【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
重なる視線に、一瞬距離が近付いたのも束の間。
「……別に、アンタのせいじゃない。いいから、学校出るぞ?しょーがねーから、送ってやる!!」
「うん……、」
琉聖君は視線が合ったら、スグに逸らしてしまって、まるで合わせたくないかのよう。
でも、そのあとに続いたぶっきらぼうな言葉に優しさを感じずにはいられなくて、私は頷いて……
控えめに琉聖君のブレザーの裾を握っていた。
―――――――――……
―――――――……
―――――……
電車に揺られる間も、何にも会話なんか無くて。
時折、琉聖君は鋭い目付きでどこかしらを見つめていて、威嚇してるみたいで。
だけど、学校からずっと裾を握ったままの手は、振り払われることなく、琉聖君と繋がっていた――…
「じゃあ、ここまで来れば大丈夫だろ?じゃ、」
最寄り駅に着いた途端そう言い残して、踵を返して歩き出そうとする琉聖君を、私は慌てて握っていた裾を強く引いて、空いた手で腕を握り締めた。
「ま、待って……!!」