【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
パチン…と携帯を閉じて、胡座をかくように座り直した琉聖君が、微妙にだけど距離を詰めて。
私は、ゴクリ…と息を呑みながらも、溢れる言葉をすべて、紡ぎ出していた。
「琉聖君に会いたかったから、……好き、だから」
「……“運命の人”だから、ってか?」
「違うよ?本当に、占いはキッカケに過ぎないな…って、実感してるの。
琉聖君に会ってまだ間もないけど、琉聖君のこと……もっともっと知りたいって思ったし。何より、私が琉聖君に会いたくて、傍にいたくて仕方ないの」
向かい合う私たちの間には何も無くて、想いのままに紡いだ言葉が気持ちを現して。
ちゃんと伝えられたことに安堵の息を吐いて、自然と笑みが溢れた。
「……っとに、バカ正直っつーか。アンタには、敵わねーな?」
不意に緩んだ琉聖君の表情に、言葉に、ポカン…として呆けていると。
グイッと腕を引かれて、気付けばベッドの上で、琉聖君に力強く抱き締められていた。