【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜


「……アンタ、雪積もってるよ?」

「え、あ……ゴメンナサイ!!」


琉聖、と呼ばれた彼の声は、高すぎず低すぎず。

だけど、彼の声色がどうこうよりも周りの不良の方々が怖すぎて、何にも悪くないハズなのに謝罪の言葉が出てしまう。

……っていうか、雪積もるほど、占いの結果を反芻することに没頭していたのか、私。

そう頭の隅で考えつつ。

彼とは視線が絡まったままなのに、イヤでも視界に入ってくる他の人達が赤やら金やら……間近で見たこともないような髪色で。

しかも、余裕の笑み(?)さえ浮かべてジロジロ見られているから、恐怖とも似付かないモノで鼓動が早くなっていく。


「別に、謝んなくてもいーんだけど」


ニコリとも笑いもせず、抑揚のあまり無い声でそう言われて、私はただコクコクと頷くばかり。


「……ってかさぁ、この女、“アレ”だよな?」



< 6 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop