【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
「……アンタ、雪積もってるよ?」
「え、あ……ゴメンナサイ!!」
琉聖、と呼ばれた彼の声は、高すぎず低すぎず。
だけど、彼の声色がどうこうよりも周りの不良の方々が怖すぎて、何にも悪くないハズなのに謝罪の言葉が出てしまう。
……っていうか、雪積もるほど、占いの結果を反芻することに没頭していたのか、私。
そう頭の隅で考えつつ。
彼とは視線が絡まったままなのに、イヤでも視界に入ってくる他の人達が赤やら金やら……間近で見たこともないような髪色で。
しかも、余裕の笑み(?)さえ浮かべてジロジロ見られているから、恐怖とも似付かないモノで鼓動が早くなっていく。
「別に、謝んなくてもいーんだけど」
ニコリとも笑いもせず、抑揚のあまり無い声でそう言われて、私はただコクコクと頷くばかり。
「……ってかさぁ、この女、“アレ”だよな?」