【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜


不意に聞こえた声に視線を向ければ、


「やっぱり!?俺も“アレ”だと思ったんだよな〜。
……琉聖も見ただろ、“アレ”!!」


“アレ”?見た?

……って、何を!?

私と彼以外の人達は、勝手に“アレ”で盛り上がるように声高に話し始めていて。

更には、ジロジロと好奇心に近い、ニヤニヤとした笑いを浮かべて私を見下ろしてくる。

それらに耐えきれなくて、唯一状況の似た彼――琉聖という人に、助けを求めるかのように視線を戻してしまっていた。


「……知らねーし」


ボソッ…と、微かに聞き取れる程の声量で呟き、私からの視線を合わせないかのように、フイッ…と逸らされた視線。

でも……



< 7 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop