【短編】Horoscope*Daring〜星占いの恋人〜
「……え?」
視線を上げたそこには、バツの悪そうな顔をした彼、琉聖君がいて。
もしかして、雪を払ってくれた?
不良、だとしても、心はとっても優しい人なのかも……
ううん!
絶対に、琉聖君はイイ人!!
「ありが、とう……!!」
冬の寒さも、スグ傍で相変わらずワイワイ話している不良の方々も忘れて。
私は底から溢れるような嬉しさで、琉聖君に笑顔を向けていた。
「別に。……お前ら、いつまで騒いでんの?オレ、もう行くから……」
不本意だけど出来ていた輪を、抜けようと踵を返した琉聖君。
その背中を見た瞬間。
「……何?」
……なぜか私は、琉聖君の制服であるブレザーの裾を掴んでいた。