十人十色-それぞれの恋- 短編集
「せんせーい!!来たよ」
「おま…外で先生って呼ぶなよ」
俺が辺りを見回していると、一人のおばさんがこっちを見ていた。
俺はペコッと頭を下げると、急いで篠原を家に入れた。
「何でそんなに急いでんの?」
篠原が、よく分からないと言った感じで俺を見てきた。
…はぁ、篠原って以外に鈍感。
もうちょっと回りに敏感になってもいいと思うけどな。
「お前、今おばさんに見られてたぞ?」
「それが?たまたまこっち見てただけじゃないの?」
篠原…それは本気で言っているのか?
「んなわけねーだろ!!お前が、先生って大きな声で呼ぶから…」
「じゃあ、なんて呼べばいいの?」
下から俺を見上げ聞いてくる。
そんな目で俺を見つめるな!!