十人十色-それぞれの恋- 短編集
「だから、こうなって……」
勉強を始めてから、1時間が経った。
篠原は覚えがよく、教えたものはすぐに覚えた。
だから、テストで20点を取ったのは信じられなかった。
きっと、勉強しなかったんだと思うけど。
「よし、今日はこの辺にするか」
「え…もう少しやりたい」
「でも、疲れてないか?もう、1時間も勉強してるぞ?」
「んー…ちょっと疲れたかも。休んでいい?」
「あぁ」
俺が頷くと、篠原は横になった。
なんか喉渇いたな。
そう思い、俺は飲み物を取りに台所に向かった。