十人十色-それぞれの恋- 短編集
私は圭樹を早く帰らせるために急いでご飯を食べた。
「ごちそうさま」
「夢芽もう食べたの?」
「うん」
「じゃ夢芽ちゃん、これ私からのプレゼント」
圭樹のお母さんが、大きい箱をくれた。
「ありがとうございます」
「いいのよ。気に入ってくれるといいわ」
「夢芽と圭樹くん、悪いんだけど夢芽の部屋に行ってもらってもいいかしら」
「なんで?」
「ちょっと二人で話したいから」
は?ちゃっと待ってよ。
お母さん達が話したいなら、圭樹に帰ってもらえばいいんじゃないの?
それで私が自分の部屋に行けば……
「はい、分かりました」
は?なんで圭樹は納得してるわけ?