十人十色-それぞれの恋- 短編集
「えーじゃあ、今日からこのクラスの担任になってもらう、新井衣都先生だ」
「あ…はっじめまして」
声が裏返った…恥ずかしい。
「新井衣都といいます。分からないことだらけだと思いますがよろしくお願いします」
そういい、ペコッと頭を下げる。
生徒たちは、さっきの私の声が裏返ったところで爆笑していた。
恥ずかしい…最初から失敗した。
そんな中一人だけ、笑わずに私に声をかけてくれた子がいた。
「衣都せんせーい!!よろしくなっ!!」
これが、
私と彼の出会いだった。