十人十色-それぞれの恋- 短編集
なんか凄く…ドキドキする。
このドキドキは、さっきまでのドキドキとは違う。
なんだろうこの気持ち。
もしかして…私、彼に惚れた?
「先生、そーいえばまだ自己紹介してなかったよね?俺は、川越翔。よろしく」
そういってニコッと笑う彼…翔くんの顔が可愛くて、一気に鼓動が早くなった。
やばい…私、完璧惚れた。
翔くんを…好きになっちゃった。
「……よろしくね」
「先生?どうかした?具合悪い??」
私の顔を覗いてくる翔くんに、思わず顔を背けた。
「ごめん…大丈夫」
「そう?」
翔くんはとても不思議そうな顔をしながら、また歩き始めた。