十人十色-それぞれの恋- 短編集
「夢芽??」
「あははは…力抜けちゃった」
私は笑ってたけど、圭樹は心配そうな顔をしてた。
「圭樹……」
「なんだ?」
「あの…私、圭樹の事……好きみたい」
圭樹は驚いたような顔をして黙り込んでしまった。
沈黙。
どうしよう…なんか言った方がいいのかな?
そう思って話しかけようとした時、圭樹が話し出した。
「俺さ、お前の誕生日の日名前聞いたじゃん?」
「うん」
「本当は名前、知ってたんだよね…」
「え?」
じゃ、なんで聞いてきたの???