十人十色-それぞれの恋- 短編集
「今日さ、俺一緒に帰れないんだ…ごめん」
「そっか…生徒会?」
「いや、先生にちょっと呼ばれてるんだ」
「なら、待ってるよ?」
「いや、今日は帰ってていいよ。遅くなりそうだし」
奏太の様子がおかしかった。
でも、私はあまり気にしなかった。
それから奏太と別れ、午後の授業もあっという間に終わった。
んー…と伸びをして、机にばたんと倒れた。
はぁ…今日は一人だし、友達の美香とでも帰ろうかな。
私は美香を探しに、教室を出た。