十人十色-それぞれの恋- 短編集




「あれ?静花じゃん!もしかして…今の話聞いてた?」





私は何も言えなかった。





いや、言いたくなかった。





こんな裏切り者となんかもう、喋りたくない。





私は走り出した。





あの場には居たくなくて、ただ走った。





あんな裏切り者……





「…ッ……クッ……」





私は保健室の前で泣き崩れた。




もう何もかも嫌だ。




人なんて信じられない。





私はなんて、運がないのだろう。








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