十人十色-それぞれの恋- 短編集
「何やってんだよ…つか急ぐぞ!!このままだと間に合わない」
私の手を握り走り出した航平。
一気に胸の鼓動が早くなる。
航平はさらっとこういうことするけど、何も感じないのかな?
私だけなのかな…ドキドキしてるの。
走ったおかげで、なんとか式に間に合った。
「俺、こっちだから…じゃあな」
「うん…じゃあね」
航平と別れ、自分の教室に向かう。
教室に入ると、もう皆席に座っていた。
「遅いぞ、長山」
「すいません」
自分の席に座る。