十人十色-それぞれの恋- 短編集
先生が少し説明をした後、体育館に向かった。
一歩一歩ゆっくり、思い出を胸にしまうように。
順番に体育館に入っていく。
体育館に入ると、両親と航平が見えた。
お母さんは泣きそうな顔をしてた。
横を通るときに、「色々ありがとう」と言った。
航平は、悲しそうな顔をしていた。
そんな顔しないでよ……こっちまで悲しくなる。
自分の席に着き、前のステージを見た。
校長先生、PTAの会長さんの話など色々聞き、卒業生代表の言葉になった。
「卒業生代表、長山葵梨」
「はい」
立ち上がり、ステージに上がる。