十人十色-それぞれの恋- 短編集
「誰ですか~?この子」
「俺の彼女」
「あ、彼女さんですか。どうも、拓也です」
急に声が低くなって、私は思わず笑ってしまった。
すごい…さっきまで女の子だったのに、男の子になった。
「初めまして、裕太の彼女の麻子です」
「麻子さんですか~可愛いですね」
拓也がニコッと笑った。
その笑顔に少しだけ、本当に少しだけ、キュンって来ちゃったんだ。
ま、裕太には絶対言えないけどね。
って、そういえば私、心読まれてるんだった!!
やばい!と思って裕太を見ると、怒った表情をしていた。