十人十色-それぞれの恋- 短編集
「好きです!!」
「は?」
私は無表情のまま、聞きかえす。
初めて会う人にこういわれるのは、今までも何度かある。
だから、驚いたりはしない。
「だから…好きなんです!!俺の彼女になってください!」
「ごめんなさい」
「なんで…ですか?あなたがモデルだからですか?」
しつこ…
いつもならごめんなさいといえば、いなくなるのに。
「そうじゃなくて…初めて会ったわけですし、あなたのこと何も知らないし」
「じゃ、食事に行きましょう!それで俺のこと知ってください」
ほんと、しつこい。
でもま、食事ぐらいいーか。