十人十色-それぞれの恋- 短編集
「着いた!ここでいい?」
「あ、うん」
着いたのは、パスタ屋さんだった。
今日はパスタの気分だったので嬉しかった。
夕飯時だったのに、案外すぐに入れた。
「何食べる?ここのおススメとか何かある?中宮」
「おススメ…なんだろう。うーん…」
中宮は悩み始めた。
なんかやっぱ頼りないや…
「いいよ、そんな悩まなくても。じゃあ私これにする!」
そういって、カルボナーラを指差した。
「分かった。じゃ、頼むね」
「中宮は何食べるの?」
「俺?俺は…ナポリタン」
嬉しそうに笑っている中宮は近くの店員さんを呼んで、パスタを頼んだ。