十人十色-それぞれの恋- 短編集
「じゃ、パスタも来たし食べようか」
「うん!いただきまーす!!」
私は口いっぱいにパスタをほうばりたかったが、人の前なので上品に食べた。
カルボナーラおいしい…最高!
なんて思っていると、視線を感じた。
「何?食べたいの??」
「いや…別に」
そんなことをいいながらも、ずっとカルボナーラを見ている中宮。
欲しいなら、素直に言えばいいのに。
「欲しいなら、あげるよ?」
「いいよ…ナポリタンあるし」
「遠慮しなくていーって!」
「いや…」
うじうじしている中宮に、私は少しイラついた。
あげるって言ってるんだから、素直にもらえばいいのに。