十人十色-それぞれの恋- 短編集
「じゃ、いつ会う?」
「えっと…決めたら連絡するよ」
「でも、今決めちゃおうよ!私、予定入っちゃうかもしれないし」
私がそういうと、中宮は困った顔をした。
てか何で、私が会いたいって言ったみたいになってるんだろう…
何で私がリードしてるんだろう?
普通は、男がリードしてくれるんじゃないの??
私はまたイラついてしまった。
そして、言っちゃいけない言葉を言ってしまった。
「中宮ってさ、優柔不断って言うか…頼りないよね。本当に男?」
その言葉にピクッと中宮が反応した。
そして、俯いてしまった。
私はやばいと思って、中宮の肩に手を置いた。
「…ごめん、言い過ぎた」
最後までギリギリ言えたぐらいで、中宮が私の手を払った。
「俺、こんなだけど男だよ?」
今までとの声のトーンが違いすぎて驚いた。