十人十色-それぞれの恋- 短編集
一人になると、必ず中宮のことを思い出す。
自分をこんなに好きにならせといて、消えるなんてずるい。
会いたい…会いたい会いたい。
「真実!!」
えっ…嘘、夢??
だって、目の前に中宮がいるよ?
これは、幻??
「真実?何ボケッとしてんの?俺のこと忘れちゃった?」
忘れるわけないじゃん…
ずっとずっと、毎日中宮のことばっかり考えてたんだよ?
「なっ…かみや!!」
私は中宮に抱きついた。
「ずっと…ずっと会いたかった。寂しかった」
中宮は私の頭を優しくそっと、撫でてくれた。