十人十色-それぞれの恋- 短編集




「今日もかっこいいー!」



私、小宮結花の隣ではしゃいでいるこの子は、雨宮亜梨。



「亜梨…先輩?」



「ん!そー!!今日もかっこいいよ!」



亜梨が見ている先輩は、私の好きな先輩の友達。



亜梨はその人のことが好きらしい。



だからよく、アピールをしている。



私は消極的だから、先輩を見ることしか出来ない。



今日もかっこいい…



「あー結花、また川瀬先輩見てる!好きだね~」



「う…うん。好き…」



「私に言っても無駄だよ!先輩に言わないと!…あ!」



亜梨は何かをひらめいたみたいで、手を叩いた。



そして大声で、



「かーわーせーせーんーぱーいー」



と言って、私を窓の近くに押し自分は隠れた。



< 74 / 119 >

この作品をシェア

pagetop