十人十色-それぞれの恋- 短編集
「今日もかっこいいー!」
私、小宮結花の隣ではしゃいでいるこの子は、雨宮亜梨。
「亜梨…先輩?」
「ん!そー!!今日もかっこいいよ!」
亜梨が見ている先輩は、私の好きな先輩の友達。
亜梨はその人のことが好きらしい。
だからよく、アピールをしている。
私は消極的だから、先輩を見ることしか出来ない。
今日もかっこいい…
「あー結花、また川瀬先輩見てる!好きだね~」
「う…うん。好き…」
「私に言っても無駄だよ!先輩に言わないと!…あ!」
亜梨は何かをひらめいたみたいで、手を叩いた。
そして大声で、
「かーわーせーせーんーぱーいー」
と言って、私を窓の近くに押し自分は隠れた。