十人十色-それぞれの恋- 短編集
「柚羅~」
「こら、先輩って呼びなさい!愁」
「はーい…すいません」
ペロッと舌を出して謝る俺を、先輩は呆れた目で見ていた。
今は、部活の練習中。
男女一緒にやるから、俺は先輩の近くに寄っていく。
だって、好きだから…
話したいし。
部活のときじゃないと、話せないし。
はぁ……
こういうとき、学年が違うと嫌だな…っていつも思う。
一緒だったらいいのに…
先輩と俺、一緒だったら…少しは可能性あるのに。