十人十色-それぞれの恋- 短編集
「はーい」
先輩の言葉を聞いて、また皆練習を始めた。
そんな中、一人こっちに向かって走ってくる子がいた。
「あ…さっきはごめん。私の不注意で…背中平気?柚羅もごめん」
「俺は大丈夫ですから…気にしないでください」
「私も平気。でも、これからは気をつけてね?」
「うん…ごめんね」
その先輩は謝ると、皆の所に戻って練習をし出した。
俺と柚羅先輩は、保健室に向かった。
正直、もう痛くなかった。
でもそれはあえて言わないでおいた。
だって先輩と二人っきりになるチャンスだし。
これで保健の先生も居なかったらいいのにな…