十人十色-それぞれの恋- 短編集





保健室から出て、戻った俺と先輩はあれから一言も喋ってない。




というか、お互い避けている。




目が合っても、先輩はすぐ逸らす。




俺、嫌われたのかな?





でも先輩は、「聞けない、その気持ちに答えられない」とかじゃなくて「今は言わないで」って言った。





だから、もう少ししたら伝えても良いって事か?





そうなのか?先輩……





「よし、今日はこれで終わり。皆お疲れ!!」





男バスの部長の声で、皆が片付け始める。





先輩は…あれ、もういない。





先輩にもう一度話しかけようと思ったら、もう居なくなっていた。
< 90 / 119 >

この作品をシェア

pagetop