十人十色-それぞれの恋- 短編集
保健室から出て、戻った俺と先輩はあれから一言も喋ってない。
というか、お互い避けている。
目が合っても、先輩はすぐ逸らす。
俺、嫌われたのかな?
でも先輩は、「聞けない、その気持ちに答えられない」とかじゃなくて「今は言わないで」って言った。
だから、もう少ししたら伝えても良いって事か?
そうなのか?先輩……
「よし、今日はこれで終わり。皆お疲れ!!」
男バスの部長の声で、皆が片付け始める。
先輩は…あれ、もういない。
先輩にもう一度話しかけようと思ったら、もう居なくなっていた。