十人十色-それぞれの恋- 短編集
更衣室を出てしばらく歩いた後、柚羅が急に立ち止まった。
「愁…あの、ありがと。睦にはっきり言えて、スッキリした」
「いや…俺は何も。てか、俺のこと好きってのは?」
俺の言葉を聞いて、顔が赤くなる柚羅。
この反応…まさか本当?
「…好きだよ、愁のこと。その…あの言葉を遮ったのは、睦のことはっきりしてなかったから、告白されても返事が出来なかったからで……」
頬を赤く染めながら言う柚羅を、俺は抱きしめた。
「好きだ…柚羅」
「私も好き…」
赤い太陽が、俺と柚羅を照らしていた。
先輩(女)×後輩(男) fin