十人十色-それぞれの恋- 短編集
「先生ー!!!」
思いっきりダッシュでこっちに向かってくるのは、俺が秘かに思いを寄せている、篠原柚希花(しのはら ゆきか)
「篠原…廊下は走っちゃいけないって、何回言った?」
「ぶー…いーじゃん!!廊下ぐらい、皆走ってるよ!!」
「そうゆうことじゃないだろ…で、なんだ?」
俺が聞くと、篠原は何かを思い出したようにはっとして、一枚の紙を差し出してきた。
なんだ…?
その紙を開くと、数学のテストだった。
に…20点!???
「お前これ…」
「えへへ…やっちゃった。だから、数学教えて!!先生」