私、海が見たい

  体育館で練習している聡と弘幸。

  コート・サイドで、二人、
  膝に手をつき苦しそう。



海を見ながら、
聡のことを思い出している綾の耳に、
中村の声が聞こえる。

「でも、どんなに苦しくても、
 好きだったら………、」



  コーチの大きな声がする。

  「つぎっ」

  聡が顔をあげ、弘幸に言う。

  「おい、行こうぜ」

  「あぁ、よっしゃー」



「好きなら、どんなつらいことにも
 立ち向かって行けるんだ」



  二人、力を振り絞り、
  コートに走って入って行く。
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