私、海が見たい

電話を切り、綾に向かって、

「お母さん、明日来るそうよ。
 亜季ちゃんも一緒に来るって」 


ニコニコしながら、
久美子をじっと見つめる綾に気付き、
バツが悪そうに、

「ごめんねぇ。私、
 昨日、お母さんに、 電話してたのよ」


綾は、いたすらっぽい笑顔で
久美子を見上げた。

「ええ、今の電話でわかったわ」


「あら、そうなの?いい勘してるわね。
 かなわないわぁ」

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