私、海が見たい
綾の部屋。
机がある。
ノートの上には、携帯電話が置かれていた。
綾は、その携帯を見て、ため息をつき、
ベッドにごろんと横になった。
ベッドに寝ころんで、天井をじっと見ながら
考え事をしていると、
頭の中に、昨日見た光景が、浮かんできた。
暗い中、
パソコンの前に座っている母の後ろ姿が、
浮かぶ。
綾は、その揺れる肩が、目に焼き付いて、
忘れる事が出来なかった
手を頭の後に組んで、寝そべり、
遠くを見るような目で考え事をする綾。