私、海が見たい

---- 学校 ----


高校の校門。

皆が登校して来る。

聡が校門を入って行く。

綾も、その後ろから、続いて入って行った。


綾のクラスは、2階にあった。

校舎に入り、教室へと続く階段を上りながら
ふと上を見ると、松葉杖をついた雄太が、
苦労しながら、上っている。

雄太の横を、皆、足早に通り過ぎてゆく。

しかし聡は、雄太のすぐ後ろを、
ゆっくりと上っていた。

綾は、それを踊り場に立ち止まって、
見ていた。

別に、雄太が心配だった訳ではなく、
そのまま行くと、聡を追い越して
しまいそうだったからである。
< 4 / 171 >

この作品をシェア

pagetop