私、海が見たい

夕方。周りが薄赤い。

食卓に綾が座って、
じっと前を見つめている。

恵子が帰ってきた。

「ただいまー」


「あら、どうしたの。電気もつけないで」


何も言わず立ち上がり、
すれ違って2階へ上る綾。

恵子は、訳がわからず、
不思議そうに綾の後を見つめた。


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