私、海が見たい
2人は、港の堤防へやって来た。
大勢の人が、花火を観に、集まっている。
ここが、一番のスポットのようだ。
二人手をつないで、花火を見ている。
恵子は、お面を団扇代わりにして扇いでいた
周りの人も皆、上を見ている。
大きな花火が上る。
幸せそうな笑顔の二人の顔が、
花火で緑に染まる。
恵子が、
「やだ。私の手のひら、
汗で、ベタベタになってる」
そう言って、手を離す。
「ええやん」
中村はまた恵子の手を取り、握りなおした。
また、大きな花火が上る。
上を向いた二人の顔が、花火で赤く染まった