私、海が見たい
無人の廊下。
チャイムが鳴り、授業終了。
皆が教室から、溢れ出てくる。
廊下が人でごった返し、
いろんな声が、飛び交っていた。
「あー、終った、終った」
「ひぇー、眠かったぁ」
「帰り、どこか行こうぜ」
「どこか、行こうか」
「どこ、行く?」
「俺、塾」
教室の後ろ口から、
カバンを肩に掲げた聡が出てくると、
廊下の向こうから、弘幸の声がした。
「おーい、聡ぃー。部活行こうぜ」
「おっ」
聡が軽く手を上げ、弘幸の方へ行き、
二人は、肩を並べて、体育館へ向かった。
その後から、綾が出てきて、
入り口の所で立ち止まり、
聡の行った方を見ていた。