【いちご塾】
如月講師【第一回課題:カッコイイ男】
゚○・*。雪解け。・*゚○
帰宅した 近藤は、妻の遺影に 手を合わせた。10年前の笑顔だ。
野球部の顧問を、20年続け 休日も 留守が多い。
テーブルに置いた 黒い携帯が bubu‥bubu‥と 小刻みに震えた。メールを開く。
『もうすぐ、着くよ』
無感情な 女の声が読み上げた。
娘の 雛からの メールに「フゥーッ」と、ため息を吐いた。
雛が 同棲している男と 帰って来るのだ。
ソファーに寝そべると、出窓から 吹き込む 優しい風が、近藤を 眠りに導いた…。
「ぉ父さん‥」 雛の声で目が覚めた。
ソファーに座り直すと、二人が 緊張した面持ちで 座っていた。
「お父さん…ゴメンナサイ」
「先生!俺達の事 許し」『何しに来た!』言葉を遮った。
「お父さん‥子供ができたの…」
バシッ!
テーブルに新聞を叩きつけ、無言で奥の和室に立ち去った。
こうなる事は 予想していた…近藤は 唇を噛み締めた。
bubu‥bubu‥
ポケットが 振動した。
ん‥動画?
画面に、チッチャな何かが 微かに動いている‥。
近藤の目に涙が溢れた。
暫くして 雛の携帯が鳴った。
襖を隔て、 二人の啜り泣きが聞こえる...
近藤が送ったのは、アルバムの、生後間もない雛の写真と『三人の幸せを祈っている。父』のメッセージだった…。
野球部の顧問を、20年続け 休日も 留守が多い。
テーブルに置いた 黒い携帯が bubu‥bubu‥と 小刻みに震えた。メールを開く。
『もうすぐ、着くよ』
無感情な 女の声が読み上げた。
娘の 雛からの メールに「フゥーッ」と、ため息を吐いた。
雛が 同棲している男と 帰って来るのだ。
ソファーに寝そべると、出窓から 吹き込む 優しい風が、近藤を 眠りに導いた…。
「ぉ父さん‥」 雛の声で目が覚めた。
ソファーに座り直すと、二人が 緊張した面持ちで 座っていた。
「お父さん…ゴメンナサイ」
「先生!俺達の事 許し」『何しに来た!』言葉を遮った。
「お父さん‥子供ができたの…」
バシッ!
テーブルに新聞を叩きつけ、無言で奥の和室に立ち去った。
こうなる事は 予想していた…近藤は 唇を噛み締めた。
bubu‥bubu‥
ポケットが 振動した。
ん‥動画?
画面に、チッチャな何かが 微かに動いている‥。
近藤の目に涙が溢れた。
暫くして 雛の携帯が鳴った。
襖を隔て、 二人の啜り泣きが聞こえる...
近藤が送ったのは、アルバムの、生後間もない雛の写真と『三人の幸せを祈っている。父』のメッセージだった…。