【いちご塾】

゚◎。新・兄弟仁義。◎゚

『にぃチャン、オレ 太ったかなぁ?』
『おぅ。そうだな!』『でも、にぃチャンには、負けるよ!にぃチャンは 横綱みたいだもン』
『あはは。横綱かぁ』傍でもぐらも頷いていました。
『あれっ?にぃチャン、何か変だよ‥イタッ―』
『おいっ!どうした?ぐッ、ぃて、痛てえ―!』

ズボッ!土がバラバラっと飛び散った。
「仁(ジン)兄ちゃん、俺 こんなに 太いの!」
「ほらッ見ろよ!義(ヨシ)より 俺の方がすげぇよ!!」
「すっげー!本当だ」
「義、これを洗って 来ようぜ!」
「うん!まってぇー」

『ぉぃっ‥おとうと、大丈夫か?』『にぃチャン‥』
彼等は、冷たい川の水で
泥衣を脱ぎ、鮮やかな赤紫の衣に着替えた。

「仁、義ぃ〜焼き芋が出来たぞー!」
「はぁーい!」
二人は芋を置き、焚き火に向かって 走って行った。

『にぃチャンが…キラキラしてる‥』『お前も…キラキラだ‥』西の空から 茜色の光線が、濡れた衣の水滴に 反射し、所々 赤みを深めた紫色に輝いている…。

『おッぃ‥少し寒いな‥』『うん‥寒いね、にぃチャン…』
ザワザワと、木々が揺れてふわりと舞った二枚の木の葉が、彼等の体を被った…。

フーフーしながら焼き芋を 頬張る兄弟の姿が、夕闇に包まれ『彼等』の色に染まった。


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