【いちご塾】
母が逝って五年…。
あの年、桜の開花は、かなり早く…それは、母の67年の 千秋楽の日に降りる、薄桃色の緞帳となった…。
母が、昏睡状態に陥り 三日目。
窓から西日射す中、静かに目を開け 私に気付くと、擦れた声で囁いた…。
「ひとみ…あんたは‥これから…幸せになれるからね……」
母は、泣きじゃくる私に、
悲しげに微笑み、握っている手を 弱々しく握り返す…。その手は 骨と皮だけで厚みは無く…でも、温もりは 元気な頃と同じで――ーそれが余計悲しい…。
二日後。
私の夫の、繰り返す浮気と失業‥私の病‥を心配し、私や子供達の行く末を案じながら…ハラハラと桜散る中、悠々と昇る 朝日と共に 天に召された――。
母亡き後、暫く悲しみから抜け出せずにいたが、傍に いつも母を感じ、叱咤激励されている気がして、目線を上げ 悲しみを乗り越えた。
母の最期の言葉『これから幸せになれるからね』は、『幸せにならなくては!』と言う思いに 希望を与えてくれる‥。
それが、可能性の浸透圧となり、自分の病気や障害に負けず、生きる為のスキルを得る努力を 続けられたのです。
――五年の月日を経て、私の道に芽吹いた 自信と言う名の双葉。
新しい人生がこれから始まる!
あの年、桜の開花は、かなり早く…それは、母の67年の 千秋楽の日に降りる、薄桃色の緞帳となった…。
母が、昏睡状態に陥り 三日目。
窓から西日射す中、静かに目を開け 私に気付くと、擦れた声で囁いた…。
「ひとみ…あんたは‥これから…幸せになれるからね……」
母は、泣きじゃくる私に、
悲しげに微笑み、握っている手を 弱々しく握り返す…。その手は 骨と皮だけで厚みは無く…でも、温もりは 元気な頃と同じで――ーそれが余計悲しい…。
二日後。
私の夫の、繰り返す浮気と失業‥私の病‥を心配し、私や子供達の行く末を案じながら…ハラハラと桜散る中、悠々と昇る 朝日と共に 天に召された――。
母亡き後、暫く悲しみから抜け出せずにいたが、傍に いつも母を感じ、叱咤激励されている気がして、目線を上げ 悲しみを乗り越えた。
母の最期の言葉『これから幸せになれるからね』は、『幸せにならなくては!』と言う思いに 希望を与えてくれる‥。
それが、可能性の浸透圧となり、自分の病気や障害に負けず、生きる為のスキルを得る努力を 続けられたのです。
――五年の月日を経て、私の道に芽吹いた 自信と言う名の双葉。
新しい人生がこれから始まる!